
“古瀬戸”をリスペクトし、天然灰を使った「灰釉シリーズ」
ゆったりとした余白を大切にしたモダンなデザインで表現された器。自然灰の釉薬によるシンプルで温かみのある出で立ちで、どんな料理とも合います。
イスノキという木の灰を原料とする白釉、椿窯を象徴するような松の灰がおもな原料の緑釉、様々な木の灰に鉄分を加え艶やかな透明感のある茶色に仕上げた黒釉。この3種類の灰釉が使い分けられ「灰釉シリーズ」の器がつくられています。
つやっとぽってりとした美しさ。
かけ分けられた3種類の灰釉薬は、まるで三毛猫の模様のよう。そんな三毛猫は幸せを呼ぶ猫として親しまれている招き猫のモデルともいわれているそうです。そこから名付けられたのがこのmikeシリーズ。


左が大、右が小サイズ。
[商品について]
名称:mike SORAMAME 大
素材:磁器
サイズ:横27.3cm×縦22.0cm×高さ4.5cm
電子レンジ: 使用可能
食洗機: 使用可能
オーブン: 不可
製造元:椿窯
※器作りには、ひとつひとつの制作工程に人の手が加わるため、色や形に若干のばらつきがありますが、表情の違いを楽しんでいただけると幸いです。
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[ツクリテ紹介]
和洋のお料理が映える、モダンな器づくり「椿窯」

「椿窯」は、瀬戸市内でも窯元が点在する水野エリアにある窯元です。1979年に創業され、初代・林春治さんは瀬戸染付の器づくりを得意としてきました。
2012年に二代目・林栄治さんが代表になると、新たな看板商品をつくろうと、温かみのある天然灰の釉薬を磁器にかけた「灰釉シリーズ」が誕生。お料理好きの方から、とくに人気を集めています。
今回のご紹介では、あまり知られていない「椿窯」が誕生するまでの歴史をひもときつつ、どのようなものづくりをする窯元なのかお届けします。
「椿窯」とは?

「椿窯」は、水野地区の住宅街の一角にふいに大きな工房が現れます。創業は1979年なのですが、その系譜を辿っていくと、200年以上前からやきものに携わってきた家系です。
遡ること、寛政12(1800)年。そのはじまりは“北新谷”と呼ばれ、現在の「Masukichi」がある中心市街地のエリアで、加藤芳九郎さんが18名の職工を抱える染付窯屋であったことがわかっています。
瀬戸染付とは、現在は「瀬戸染付焼」として、伝統的工芸品にも選ばれているもので、瀬戸市内のやきもの博物館「瀬戸蔵ミュージアム」には、芳九郎さんの海外向けの花瓶が所蔵されています。

約200年前に描かれた加藤友七さんの絵をまとめた図録より。
後継ぎとなったのは、芳九郎さんの養子として迎えられ、明治後半に家業を継いだ加藤友七さん。10歳の頃から絵画を修練していたそうで、鳥や動物が描かれた絵は今も残されています。
その後、芳九郎さんは明治38(1905)年頃、北新谷で4人を雇用しながら土瓶製造をしていたことがわかっており、加藤謙吉さんの代へと移ると、中心部に近い背戸側へ移転し、抹茶茶碗などを製造していたようです。
そんな謙吉さんの息子であり、林栄治さんのおじいさまにあたる加藤新吉さんは、尾張旭市の三郷で「旭製陶」を創業。他社の製品をOEMで染付のやきものを製造したり、"あわた椿"という下絵のシリーズが爆発的にヒットしました。

そこへやきものの道をめざす、豊田市出身の林春治さんがやってきて働きはじめ、新吉さんの長女と結婚。「旭製陶」は次男が継ぎ、春治さんは独立して、「椿窯」を立ち上げたのです。

「椿窯」の初代・春治さんは、代々継がれてきた染付の技術を大切に、中国の明時代などの染付に影響され、銅板に絵柄を彫って、その絵を紙に写しとり、陶器に転写する「銅板転写」の技術を独自で磨き、瀬戸染付を極めてきました。
これらの器を京都の問屋ややきものの商社に卸したり、OEMで製造するなど、量産できる体制を整えて、営んできました。
二代・林栄治さんによる、新たなチャレンジ

一方、栄治さんは「名古屋造形芸術短期大学」の彫刻科へと進学。京都の窯元である「禎山窯」の川尻氏に師事し、その後、京焼や清水焼を学べる「京都府立陶工高等技術専門校」を卒業し、20代の頃は京都・東山で陶芸家として活動してきました。
そんななか、1999年にお父さまから「家業を手伝ってほしい」との声がかかり、いつかは後を継ぐと思っていた瀬戸へ戻ることに。
ただ、小さな頃から青と白のやきものをずっと見てきた栄治さんは、「染付は好きですよ。でも、これだけ先代が染付をしていたので、別のことをやりたいな」と、自身はあえて新たな商品づくりに挑むことに。
「瀬戸という土地のルーツを追い求めていくような器をつくりたいと思い、浮かんだのが“古瀬戸”という陶器でした。日本で初めて天然の灰を釉薬としてかけてつくられたもので、シンプルで、素朴で、好きなんです。でも、そのままではおもしろくないので、どこかに違和感がほしかった」
そこで生まれたのが、“古瀬戸”をリスペクトした、天然灰を使った「灰釉シリーズ」です。

この「灰釉シリーズ」には、天然の木の灰が使われており、3種類の灰釉が使い分けられています。
白い部分の白釉は、イスノキという木の灰がおもな原料で、高級な磁器に使われていた釉薬です。緑釉はとりわけ「椿窯」を象徴するような釉薬で、松の灰がおもな原料です。
灰の中に鉄分がほかの灰より多く含まれるため、やさしい青磁のような色合いに。そして、黒釉は様々な木の灰に鉄分を加えて、艶やかな透明感のある茶色に仕上げています。


これらの釉薬を単色で使う器もあれば、写真のように3種類の釉薬を1種類ずつかけて、乾燥させてを繰り返し、仕上げていくmikeというシリーズもあります。

また、栄治さんが生み出す器で特徴的なのは、和洋の料理に合うモダンな形。
大学で彫刻を学び、陶芸家としても活動していた栄治さんは形にこだわり、原型も自らつくっています。それを型屋で型にしてもらい、工房内でガバ鋳込み、もしくは圧力鋳込みで素地もつくっています。
近年では、こうしたオリジナル商品が海外の展示会でも発表される機会が増えているとのことで、海外への挑戦も始まっています。
お料理が映える器づくり

そんな「椿窯」の今を知るには、工房に隣接したショールームがおすすめです。
そちらには、ほとんどすべてのオリジナル商品が並んでいますので、ご興味ある方は連絡をしてから、訪れてみてくださいね。
栄治さんはお料理がとってもお上手で、お料理好きな方がつくる器は、やはり料理が映えます。飲食店で使われることも多く、食器棚での積み重ねやすさなども含めて、使いやすいです。器に余白が多いので、ぜひ想像力をふくらませて、盛り付けを楽しんでください!
椿窯
住所:愛知県瀬戸市水北町531
営業時間:平日10時〜14時
定休日:訪問の前に、お電話での確認をお願いします。
電話:0561-48-1265
駐車場:あり
アクセス:中水野駅から徒歩約23分
Instagram:tsubakigama2018
